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№505 家庭血圧測定のすすめ  こしがや駅前クリニック 永松 仁

高血圧症の診断・治療には血圧測定が欠かせませんが、最近特に注目されているのが家庭血圧です。診察室では、緊張のため本来の血圧よりも高くなることがあり、自宅でリラックスしているときのほうが正しい血圧が測れると考えられるためです。昨今、自動血圧計が進歩して使いやすく正確になったこともあり、家庭血圧が重要視されています。現在の高血圧症の治療ガイドラインでも、診察室血圧とともに、家庭血圧の目標も併記されています。  それでは家庭血圧が特に重要な意味合いを持つ高血圧についてお話しします。家庭血圧が正常血圧であるにもかかわらず、診察室での血圧が高血圧をしめす病態を「白衣高血圧」と呼んでいます。明確な定義はありませんが、外来血圧が140/90㎜Hg以上に上がっているのに、家庭血圧135/85㎜Hg未満に保たれているもの、とされることが多いようです。診察室高血圧患者の約10~30%にみられます。おおむね危険は少なく、積極的な治療の必要はないとされています。しかし、白衣高血圧は将来の高血圧の予備群である可能性が報告されています。薬は不要でも、減塩食、体重コントロール、禁煙等の生活習慣の修正は必要で、定期的なチェックも必要です。  また、「診察室の血圧は正常なのに家庭の血圧が高く、診察室での測定では高血圧と分からない状態」を、「仮面高血圧」と呼びます。仮面のように本当の姿が隠されていることから名付けられました。脳卒中や心筋梗塞などの可能性は、診察室高血圧の人と変わりません。中でも、朝の血圧上昇が大きい人や、夜間も血圧が高いままの人を「早朝高血圧」と呼んでいます。夜から早朝にかけては脳卒中や狭心症などが起こりやすく、早朝高血圧が理由のひとつといわれています。  その他にも家庭血圧測定のメリットがあります。家庭血圧を記録することで、十分に血圧が下がっているか、あるいは必要以上に血圧が下がっていないか、また、お薬を飲む前に測ることで効果がどれくらいの時間続いているかも確かめられます。家庭血圧を上手に活用して、より良い血圧コントロールを目指しましょう。

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№504 COPD(慢性閉塞性肺疾患)について 山口醫院 山口文平

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主にタバコが原因で肺に炎症が起こり、空気の通り道である気道が狭くなる病気です。患者さんの90%以上に喫煙歴があるので、「タバコ肺」ともいいます。40歳以上の約10人に1人がこの病気になると推定されています。全国には500万人以上の患者さんがいるはずですが、実際にCOPDと診断されているのは約22万人で、多くの方々がCOPDであることを見過ごされています。  「体を動かしたときに息切れがする」「咳や痰が続く」というのがCOPDの代表的な症状です。それぞれの症状は年齢や風邪のせいと誤解されがちですが、40歳以上でタバコを吸っている、あるいは吸っていた方でこのような症状がある場合はCOPDの可能性があります。個人差はありますが、目安として「1日に吸うタバコの箱数(1箱20本)×喫煙している年数」が60以上の方の約70%がCOPDという報告があり、例えば2箱を30年以上吸っているとこれに該当します。COPDでは、酸素と炭酸ガスの交換を行う場所である肺胞が炎症で破壊されたり、肺胞まで空気を送り届ける気道が炎症でむくんだり痰で詰まったりすることで、呼吸がしにくくなっているとされています。  いったん破壊された肺胞は元には戻らないと考えられているため、以前はCOPDには治療法がないとされていました。しかし、最近では早くから治療を開始すれば、肺機能の低下を緩やかにして良好な状態を長く保つことができると考えられています。禁煙は肺機能の低下を抑制し、死亡率を減少させることがはっきりしているため、治療の第一歩はもちろんタバコをやめることです。次に気道を広げて呼吸機能を改善する薬物療法、症状の急な悪化を予防する各種ワクチン接種、呼吸のリハビリなどを行います。  COPDの診断には、肺機能検査で息を吐く力が弱くなっていることの確認と、似た症状を起こす別の病気がないことをエックス線検査や心電図検査などで調べることが必要です。40歳以上のタバコを吸われる方で、動いたときに息切れがしたり、咳・痰が続く場合は医療機関にご相談ください。

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№503 流行性角結膜炎(はやり目)について こしがや眼科クリニック伊勢 武比古

流行性角結膜炎(はやり目)とは、感染力の強いアデノウイルスによって引き起こされる感染症で、ウイルス性結膜炎の代表的な疾患です。小児に多くみられますが、成人も含んだ幅広い年齢層にみられます。ウイルスに感染しても最初の約1~2週間の潜伏期間は症状がなく、その後、急に発症します。プールでの感染が原因で夏季に多くみられましたが、最近は、どの時期にも起こります。  症状は、結膜(白目)が充血し、目やにで目が開きづらくなります。涙目になったり、まぶたが腫れたり、痛みを感じることもあります。症状が強くなると、まぶたの裏に偽膜と言う白い膜ができ、これを放置すると結膜が癒着を起こします。また、偽膜により角膜(黒目)に傷ができ潰瘍を起こし視力低下をきたすこともありますので注意が必要です。角膜炎を発症すると長期にわたり治療を必要とします。片目に発症後、数日後に反対の目にも発症する場合が多く、通常、2~4週で治癒します。現在では簡易キットを用いて早期の段階で判断できる場合もあります。  幼稚園・保育園や学校では、はやり目は学校保健法で「第三種の伝染病」に区分されており、「眼症状が軽減してからも感染力の残る場合があり、医師により伝染のおそれがないと認められるまで出席停止とする」とされています。成人の場合、他人と接触する機会の多い職場の従事者は、内規で出勤停止が義務付けられている場合がありますので、職場で相談して下さい。  治療は現在のところアデノウイルスに有効な薬はなく、対症療法として炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使用します。接触感染と言って手指を介して感染が広まるので、目を触らないように極力気を付けることが一番大切です。涙や目やにはティッシュペーパーなどで拭き、手は十分に洗いましょう。また、タオル等の共用のものは家族と別々にし、入浴も最後にし、触れるところは、できるだけこまめに消毒用アルコールやハイターなどの次亜塩素酸ナトリウム(0・02%)で消毒しましょう。症状に気づいた時は、すぐに眼科を受診してください。

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