Yearly Archives: 2010

No.469 脂肪肝 おか内科クリニック 岡 茂樹

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が異常に沈着した状態をいいます。日本でも肥満者の増加に伴い、生活習慣病とともに肝機能異常を呈する成人の人口が近年増加しています。その中の多くの人に脂肪肝が認められますが、最近その脂肪肝について考え方が変わってきています。 注目されているのが、飲酒歴がないにも関わらずアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害を認める、非アルコール性脂肪性肝疾患という病気です。主に肥満や糖尿病を基盤として発症しますが、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患や高度の栄養障害などでも起こります。非飲酒者(エタノール換算:女性20g/日以下、男性30g/日以下)が、CT検査や腹部超音波検査などを用いて脂肪肝と診断された場合にはこの病気が疑われます。 また、この病気が進展し重症化すると、非アルコール性脂肪性肝炎という病態になることがあります。この病気の危険なところは、脂肪肝でありながら若年者でも肝硬変や肝細胞癌を発症してしまうことです。進展の原因は、酸化ストレスや遺伝的要因などですが、不明な点も多いのです。確定診断には、肝臓に針を刺して組織を採取し、直接肝臓の状態を調べる肝生検という検査が必要です。 このような病気を予防するには、食事療法と有酸素運動の併用による肥満の解消、高血圧や糖尿病、脂質異常症など合併症の改善が必要です。ただし急激な体重減少は脂肪肝が悪化することがあるため、月に1~2㎏くらい(まずは5%)の体重減量を目標とします。 以前は問題視されなかった脂肪肝ですが、今後は定期的に血液検査を行い肝臓の状態をチェックすることが必要と思われます。

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No.468 小児の咳 -百日咳を中心に- たかはしキッズクリニック 高橋 勉

咳は子供の病気の症状としてはよく見られるものの一つで、そのためか熱などがない場合は軽く見られる傾向があるようです。現実に長い間様子を見ていたとか、家にあった薬を使っていたと言う話をよく聞きます。 咳の出る病気は多いのですが、重症化する病気もあることを忘れてはいけません。中でも百日咳は特に乳幼児の場合怖い病気の一つです。 百日咳は、現在の日本ではワクチンの普及、接種の低年齢化によって発症数は減少していますが、時々流行を繰り返しており、決して過去の病気ではありません。大人の場合は罹っても軽くすむことが多いのですが、お子さんが罹ると重症化する危険性が高いです。 百日咳は最初に咳、鼻汁といった軽い風邪のような症状がおよそ2週間続き、その後連続する激しい発作性の咳を起こすようになります。咳の連続のため息ができず、咳のわずかな合間に息を吸うのでヒューという特徴的なカン高い音を出すようになり、呼吸困難や咳、嘔吐の繰り返しのためとても具合が悪くなります。この症状は百日咳菌の毒素が原因であり、同時にけいれんや無呼吸といった脳症を引き起こすこともあります。激しい症状は2~3週間続き、次第に穏やかになりますが、さらに3週間ほどは咳が続き、 百日咳の名前通り完治までには長い時間がかかります。 WHO(世界保健機構)はこの病気の死亡率は1~2%と発表しています。命が助かっても重い後遺症を残すこともあり、やはり怖い病気だと思います。 百日咳はその間、高い熱が出ることはほとんどなく、症状の軽い早い時期から適切な抗菌薬で治療しないと治りにくいです。咳だけでも安心せず、早めに診察を受けること、予防接種を確実に受けること、乳幼児のいる家庭では家族も早めに治すことや、咳を悪化させる受動喫煙に注意することなどが普段から大切です。

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No.467 とまらない咳について 大袋医院 西片 光

咳は医師を受診するきっかけとなる症状として最も多いもののひとつです。咳を起こす病気はたくさんあります。数日でよくなる咳は心配ありませんが、2~3週間以上咳が続くときは、早く診察を受けましょう。 風邪の咳は長くは続きません。長引く場合は風邪から他の病気を併発しているか、風邪ではないこともあります。薬を飲んでいるのに咳が続く場合は、診断、治療の見直しが必要です。喘息、結核や心臓病のこともあります。 煙草を吸う方で咳が長引く場合は肺癌や肺気腫も心配です。煙草を吸う量が少なくても、肺癌や肺気腫になる危険は減りません。早く診察を受け、禁煙しましょう。どうしても禁煙できない場合は、禁煙補助薬を用いた禁煙指導を受けましょう。一定の条件を満たせば、健康保険が使えます。1日に1箱吸う方だと、2カ月分のタバコ代で禁煙指導が受けられます。最近では飲み薬もよく用いられ、成功率も高くなっています。 風邪のようではないのに咳が続くときは、アレルギー性の咳や咳喘息のことがあります。一部は呼吸困難のおきる本当の喘息に移行することがあり、早めに診察を受ける必要があります。 風邪が治ったのに激しい咳だけ2~3週間以上続くときは、百日咳のことがあります。激しい咳の発作が特に夜にひどく、時には嘔吐を伴います。肋骨が折れることもあります。ここ数年百日咳は成人に増えています。普通の風邪の治療ではなかなか良くなりません。胸のエックス線写真や一般的な血液検査でも異常が見つかりません。かかりはじめの1~2週間は感染力が強く、乳幼児への感染源となります。抗体検査が参考になりますが、診断が難しいケースもあります。 マイコプラズマや肺炎クラミジアの感染も咳が長引きます。マイコプラズマ感染症は、1日のうち熱が1度以上変動するのが特徴です。朝や午前中は37度台でも、午後から夕方夜にかけて38~39度に上がります。肺炎クラミジア感染では咳がひどいのに熱がなく、エックス線写真でも影が出にくく、CTスキャンを撮らないとわからないこともあります。かかりつけの先生とよく相談しましょう。

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